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五期会写真展『ふるまちの今』に寄せて

 

 かつて新潟市の目抜き通りであった古町の通りは、商業形態や生活様式

など庶民の暮らし方が移りゆく中で、次第に衰退を余儀なくされてきた。

いくつかなされる公的な支援策の効果もいま一つの感が否めない中、地元

の人たちとの間には、推し量ることのできない隔たりのようなものができ

てしまった感じさえする。この写真展は、その古町通りを一般市民の目線

で出来るだけ忠実に再現しようとしたものである。

 それにしても何とも空虚な雰囲気に、つい気が滅入りそうになる写真群

である。街としての息づかいは、今どきのそれなりとして見て取れはする

ものの、寂しさのただようとり残されたような街風景の羅列を、一体どの

ように受けとめればよいのだろう。彼らはこの写真群を使って何を語ろう

としているのであろうか。

 五期会は、全国的にも珍しいくらいに一貫して前衛的なテーマを活動の

主体としてきた特異な写真クラブだ。そして今年は、その特異性が一層際

立っているように思える。会員の一人一人が一傍観者としてあまりにあり

ふれた日常の「ふるまち」を淡々と記録してきているのである。写真は、

意図なくストレートに撮られれば撮られるほど、写っているもの自体が多

くを語りはじめるという不思議なところがあるが、今回は明らかに写真が

持つその力を利用して、見る側に深く覗き視てもらいたいという趣旨なの

ではないだろうか。

 今回の写真展は、昔を懐かしんでもらいたいというようなセンチメンタ

ルな類の写真展では決してない。また、プロアマを問わず、自らの価値感

を披露しているような驕った写真展でもない。彼らの狙いは、古町の現状

を正しく見つめてもらいたいという只それだけのことなのである。その単

純な思いがかえって重みを醸し出している。写真の本質である事実を正し

く伝える力が、見る人にきっと何かを喚起させてくれることであろう。

                          筒場 太山

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