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写真力とは

何だ?

写真力とは (前編)

■写真力とは、写真が持つ本質的な力のことです。本質的な力とは写真が当たり前に持っている性質のことです。つまり写真力とは、写真とは何か?写真とはいかなるものか?という素朴な問いへの答えそのものなのです。そこで…

 

■写真とは何か?ということですが、その前にまず真実と事実の違いについてお話しをいたします。真実とは本人が本当だと思っていることですね。他人が何と言おうと、聖書に何が書かれていようと本人がかたくなに信じていることが真実なんです。では事実とは何でしょうか?事実とは現実です。本当か嘘かは知りませんが現実として目の前に存在する事柄のことです。つまり、事実は一つであるのに対して真実は思いの数だけある。ということになります。おわかりいただけますか?まあ肝心なポイントですし色々とご意見はあると思いますのでその辺りは別の機会に詳しく述べさせていただくとして…。

 

■さて写真が他の追随を許さないところは情報伝達時における事実性の高さにあります。レンズを通して光学的に像を作り出す写真には虚構はもともと存在しません。写真に写ってるんだから本当なんだよ…ってなもんです。実際、事実とは違うもう一つの現実(真実)をレンズの前に置いたとすればその虚構たる真実が現実(事実)として写ってしまうのですから…。

 

■何れにせよ写真は「事実を写しとること」に長けています。当たり前のように聞こえるこのことに気づけば写真が本来の姿であるためにはどうあれば良いかがわかってきますね。 はい、写真は目の前の事実を只々忠実に写したものであれば一番良いのです。あなたが勝手に思い込んでいる真実つまりもう一つの現実などではなく。

 

■私たちは写真を見ていて写っているものの内容に事実と違うところがあるなどと思うことはまずありません。みなさんも古い写真や卒業アルバムを見るときのことを思い浮かべれば納得できますね。そこには嘘や偽りは何も写っていないはずです。でも観光パンフレットやレストランのメニューに使われているこれ見よがしなくらいに美しい景勝地の写真やとても美味しそうに見える料理の写真はどうでしょうか?それらはたまにとても嘘っぽく見えてくることはありませんか?それまでの期待はずれを食らった経験から誰しもが本気で信じて見ているわけではなかったりはしませんか…?そうなんです。世の中には作意や作為に満ちた写真、事実ではなくそうあって欲しいと誰かが願うもう一つの現実を写した写真が溢れているのです。

 

■騙されても気にしない人もいるでしょうが、普通は頭にきますよね。騙された~って。そうなんですね。写真に対して普通の人は事実つまり本当のことが写っていると思っているわけですよ。ですから写真はその期待を裏切っちゃーいけない。期待に答えるべきなんです。なぜなら事実を伝えようとしたら写真よりも優れた情報伝達の手段は他にないからなのです…。

★何気ない写真、特に取り立てることもないような普通のものを写しただけの写真なのに、じーっと見ていると、写っているものがとても不思議なものに見えてくることはありませんか?何気ないものを写した写真をじーっと見ているとそういった感じにたまになります。これは一体なんなんでしょうね…。後編ではその辺に迫りながら写真力の結論に至りたいと思います。

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